経営コンサルタント毛利京申
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「レナウン破産!こうして歴史に幕を閉じた。

「レナウン破産!こうして歴史に幕を閉じた。

2024/07/12

「レナウン破産!こうして歴史に幕を閉じた。」
 名古屋を拠点に全国で活動する経営コンサルタントの毛利京申です。
 こんにちは
 早速ですが、産経新聞によると、令和4年11月に東京地裁から破産開始決定を受けたアパレル大手のレナウンが年内にも消滅するとの見解を示した。
1902年に創業した名門企業が、歴史に幕を下ろすとのことです。

レナウンは、2年前に民事再生法の申立をしたことまでは知っていましたが、この度自主再建を諦めて、破産に踏み切ったようです。
ちなみに、私は前職が弁護士事務所に勤務していて、自己破産の申立を5000件以上やってきたので、その経験で言いますが、民事再生法で再生できた企業は、ごくわずかです。
やはり、その会社に任せて、その会社の社長が引き続き経営してもうまくいかないのが現実です。
レナウンは、バブル崩壊以降、経営が悪化して中国大手企業に身売りするものの、業績が回復せずに民事再生を試みるも失敗してしまったようです。
レナウンと言えば、1980年頃さかんにテレビでレナウン娘のCMが流れていて、今でもそのレフレーズが頭に焼き付いています。
レナウンは、このCMでは、フランスのシルヴィ・バルタンを起用し、自社ブランドの「ダーバン」ではアラン・ドロンなど一流の芸能人を起用して一世風靡していました。
このレナウンの栄枯衰退を見ると、三陽商会もそうですが、海外の有名どころのブランドとライセンス契約を結んだりしていますが、レナウンはイギリスの「アクワスキュータム」、三陽商会は「バーバリー」などのブランドと契約をして販売促進をしていました。
私は、どちらのブランドも知っていますが、どちらも第一次世界大戦時の防空壕で、このブランドのコットンギャバジンのコートが防水性に優れていて、耐久性に優れていたので、有名になったコートです。
それは、今でも普遍に続いていますが、今は最先端の時代に流れ、重たい綿100%の生地よりも完全防水のカラフルで軽いコートも出ているので、今の若者には、伝わらないのかもしれません。
ちなみに、「アクワスキュータム」の意味は、「水と盾」という意味です。
私は、繊維会社の破産事件を一度担当したことがありますが、このレナウンもそうだと思いますが、繊維は先物取引の対象にもなっており、大手商社もどんどん参入している業界です。
私は、当時。依頼を受けた破産会社の経営者が自殺を図ったので、事情を聴くことができないので、取引先だった丸紅の担当者からいろいろ繊維業界のことを教えて貰いました。
本来なら資産が多いと破産はしません。
債務も少ないし、どうして破産するのだろうと思うのかもしれません。
それだけ不良在庫を抱えて、資産を増やすようにみせかけていたのではと思います。
これは、銀行も見抜けないのです。
何故なら、サンプルも在庫にしたり、数年経つと繊維は不良在庫になります。
その見分けがつかないことと、倉庫にある在庫を売ったとしても、そのまま保管して商品を移動しない取引の商品もあるので、粉飾しやすい環境なのです。
 しかも、流行りすたりが激しい業界なので、換価できるのかわからないことが、繊維業界なのです。

最盛期は、売上が502憶もあり、総資産も300憶とあったようですが、破産すると何故かしら債務が28憶とのことです。
私も、1997年頃、オーダースーツのアパレルを経営したことがあるので、よく理解できますが、終戦後の日本は、いきなり西洋化に傾き、洋服や靴が、1970年代から瞬く間に浸透し、ブランドという宝飾品に憧れを抱くように仕向けられました。
数年前まで下駄を履いて、着流しを羽織っていた日本人にスーツ・ネクタイなどが、ビジネスに浸透していった時代でした。
それが、今はどうでしょう?スーツを着ている人が極端に少なくなり、ブランドに対する価値感がなくなった気がします。
 私は、この1980年代の後半から先を見据えて、会社の縮小を図り、日本のブランドを世界に発信したり、海外ブランドを扱うのならグッチのようにトム・フォードのようなデザイナーを起用したり再建策を講じなかったことが敗因となった気がします。
これをやるには、もっと会社を縮小すべきだったと思います。
売上を上げるためには、それなりの人を抱えるし、在庫も抱え、事務所の拠点も多くしなければなりません。
そうなると、固定費が増えすぎたために、リストラが間に合わなかったのだと思います。
一度、会社がマンモス企業になると、経営陣は、イケイケどんどんの性格から脱皮できないものです。
グッチが再建できたのは、レナウンほど会社が大きくないからだと思います。
一度、会社が失敗すると、同じ経営者では再建はできないと言われているのです。
それは、私情が入るので、思ったようなリストラや給与カットなどできないためです。
私は、私情がないので、どんどん進めていきましたが、面識がないとは言え、それは辛いものがあります
その人の一生が自分の手に乗っているからです。
私は、自殺者を出したくなくて自ら経営者になり、ホテルを再建してから経営コンサルタントになりました。困っているなら是非、ご相談下さい。


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