名古屋を拠点に全国で活動する経営コンサルタントの毛利京申（もうりたかのぶ）です。
こんにちは
『週刊ダイヤモンドオンライン』のコラムに、「降格、解雇、移動など厳しい話を部下に伝えるときに絶対破ってはいけないこと」というものがありました。
　私は、以前、ある四国に本社のある会社から電話があり、「大至急相談がある」と言われ、少し事情を聴くと、経営が切迫していることを感じ、翌週行く段取りをしていました。
　ちょうど、その週は、日曜日に金沢市で会議があり、夜は懇親会があったので、月曜日一番の電車で行く準備をして、火曜日には、愛媛県松山市にも行く予定がありました。
　ところが、深夜、金沢で寝ていたところ妻から電話がり、義父が急死したとの知らせを受けて、全てキャンセルして帰りました。
　それを終えて、また四国へ行くと、いきなり社長をやって欲しいと幹部一同から懇請され、事情を尋ねると、一カ月後債権者集会があり、どうしても社長交代でもしないと債権者も納得しないと言われるに至りました。
　更に、約1500人に債務が約60億もあることを知りました。
　しかも、年商が5億円にまで下がり、どうしても人員整理をしなければならない状況でした。
　幹部に人員整理のリストの作成を指示しましたが、約70名の社員のうち、半分近くの社員を整理しなければなりません。
　しかも、この会社は社員にも高額なお金を借りていたのです。勿論、リストに入っている社員もたくさんおりました。
　私は、渋々社長に就任したものの、月末の給与を取れませんでした。
何のためのコンサルタントか分かりません。直接、社員とは接点がありませんでしたが、リストラを言い渡すことは、本当につらいものがありました。
　「給与も遅滞しているのに、何て、言ったら良いのか？」を考えると、夜も寝れませんでした。
　その時に、「このままだと、給与も払うことができない。倒産や破産してしまったら借りたお金も返済できない。会社を再建できたら、また呼びもどすから一旦退職して、再就職先を探して欲しい。」と言いました。
　このように、社員の気持ちに沿って、自分の思っている心からの言葉を伝えました。
　こんなことを、ふと走馬灯のように想い出しておりました。
　今考えると、自分の立場がリストラになった社員になることが重要だと思います。

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