「老舗の倒産──徳が会社を救うか、沈めるか」
2026/08/04
「老舗の倒産──徳が会社を救うか、沈めるか」
名古屋を拠点に全国で活動する
経営コンサルタントの毛利京申です。
今朝、本州最北端・創業135年の造り酒屋が倒産したというニュースを見ました。
(有)関乃井酒造が7月31日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったとのこと。
負債総額は約7億2600万円──。
私はこのニュースを見て、どのような経緯で倒産したのか、手に取るようにわかります。
造り酒屋は地元では名門。長年ちやほやされ、商工会議所や各団体の役員を務めてきたことでしょう。
それ自体は悪いことではありません。 ただ、人の話を素直に聞けるかどうかが分かれ道になります。
私は弁護士事務所で18年間勤務し、5,000件以上の破産事件を担当してきました。
その経験から、老舗が陥る危機には共通点があります。
• プライドが邪魔して外部の意見を聞かない
• 代替わりが遅れる
• 新規顧客の獲得を怠る
• 地元の名声に甘える
• 経営数字を見ない
こうした要因が積み重なると、名門ほど倒れやすくなるのです。
昔、中国の思想家・孔子は「徳による統治」を説きました。
「政をなすには徳を持ってすれば、自然に人が寄って来る」
確かに「徳」は大切です。
徳のある社員、徳のある取引先、徳のある経営者──理想です。 しかし現代人に「徳」の話をしても、 「そんなもん犬も食わんだろ」と笑われるかもしれません。
私は思います。 徳があるからこそ倒産する会社もある。
人を大切にし、取引先を裏切らず、地域に貢献する。
それは素晴らしいことですが、経営が傾いたとき、 その「徳」が判断を鈍らせることがあるのです。
• 赤字でも社員を解雇できない
• 不採算取引を切れない
• 地元の期待に応えようと無理をする
• 値上げできない
• 新しい挑戦ができない
こうして、気づけば資金繰りが詰まり、老舗でも倒産へ向かう。
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